発泡スチロールという不思議な素材と私

発泡スチロールを初めて触ったのが何歳のときだったか記憶にありません。ただ「なんて不思議な質感だろう」と何分も触り続けてしまうほど、子供だった自分にとって魅力的な素材でした。爪を立てれば深く突き刺し痕を残すことができるのに、手のひらで面全体を押してもびくともしません。ところが薄い板状のものは軽い力でバラバラに崩すことができます。そのわりに箱状の発泡スチロールは重いものを入れても耐えることができます。私は発泡スチロールに対して「頑丈なのかヤワなのかよく分からない素材」という印象を持っていました。

さらに発泡スチロールには、温度を遮断する特性があることも判明。氷漬けの魚が入った発泡スチロールの箱を持ってもほとんど冷たさを感じません。これについてもまた不思議に思ったものです。
ある日近づいて表面を見てみると、板状の発泡スチロールは粒状の小さな素材が合わさってできていることが分かりました。それをみて私は、壊れ物を包むあの細かな緩衝材が発泡スチロールの変形であることを知りました。そしてリンゴを包む白い網状の緩衝材までもが発泡スチロールであると気づき、意外と柔軟性を持っていることも知りました。
「発泡スチロールっていろんな特性を持っている。やっぱり魔訶不思議な物体だ」と大人になった今でも思う私です。